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もとつ香のにほへる君が

愛の意味を考えてみた

もしも1つだけ、たった1つだけ

大学を卒業して実家に帰ってきた。引っ越すためにものをめちゃめちゃ捨てたつもりだったけど、必要最低限の大学4年間のおもいで達を18歳までの私が暮らしていた部屋に詰め込んだら、溢れかえった。スペースが足りなくて、実家に戻ってきてもとにかくものを捨てる毎日だった。卒業旅行も行ったし、卒業式にも出たし、謝恩会も出たし、内定先の研修にも参加した。いま、直前研修期間。座学がねむい。配属も決まったけど、それでもまだ自分が働く想像ができないのはなんでだろう。

 

帰ってきてから、4年間の私の暮らし方を母にめちゃくちゃ非難された。父は非難どころか呆れかえってただただ苦笑いといったようすだった。学校に行っている時間以外はバイトをするか、衣食住に関することをするか、ジャニーズを見るかの3つだった。それを4年間続けた。20歳になってから同級生がぼちぼちと結婚し始めたり、もう長く続いているところはきっとこのまま結婚するんだろうなとぼんやり思っていたけれど、22歳にもなると同棲とか出産とか、恋人がいないひとのほうが少ないみたいな状況になってしまった。

男の人が、ものすごく苦手だ。ジャニーズは大好き。自分の微々たる応援で彼らが楽しそうにしてくれたら、私も嬉しいし明日も頑張ろうと思える。ずっと、小学生の時からジャニーズに対する気持ちは変わらない。とおくにいる、かっこいい男の子たち。夢を見ている、その夢を叶えるために努力をしているかっこいい男の子たち。画面越しに見るだけで元気になれた。勇気をもらえた。それは、私が22歳になってジャニーズJr.の大半が年下になっても変わらないのだった。でも、同級生の男の子とか、後輩とか、先輩とか、周りにいる男の人のことはものすごく苦手だ。絶対にさわられたくないし、できれば話もしたくないし、私が言ったことを聞かないでほしいし、向こうが話してきたことも聞き入れたくなかった。接したくなかった。父とは22歳女子にしては仲がいいと思っているし一緒に出掛けたりもするけれど、男兄弟に対しては嫌な気持ちしか持っていない。もう何年もまともに会話していないと思う。

男の人と接する時間がムダだと思った。接しなくて済むように、女だけのバイト先を選んだし、男女で業務内容が分かれているバイトも経験した。部活も女ばかりがいるところを選んだ。そういえば私、大学受験のとき最初は女子大志望だったな。共学しか受からなかったけど…あの時もっと勉強していたら、あの女子大に受かってたのしい4年間だったかもしれない。もちろん、(極力男子を避けるような選択をしつつも)共学で過ごした4年間もたのしかったよ!

 

最近、内定者(男子もいる)でお酒を飲む機会があった。隣の席だった女の子が、ちょっと酔っぱらって、私の肩に寄っかかってきた。その時に、また新たなことに気付いてしまった。

私、たぶん人に触られるのが嫌いだ

お酒を飲んでちょっと身体が熱くなった同性を、気持ち悪いと思ってしまった。突っぱねなかっただけエライと自分を褒めたい。時々女性アイドルの握手会にも行くけれど、実は握手会もあまり好きではない。偶像として見ているかわいくてきれいな人たちと手と手を合わせることで、体温をもったヒトだと感じてしまうことが嫌だと、初めて握手会に行ったときに思った。その時のことを思い出した。たまたま手がぶつかってしまった時。ハイタッチ。コショコショ話をするときに耳に手を添えられること。息がかかること。学校の体育の授業で2人ペアで背中合わせになったりして身体をくっつけること。小さなときに、親と手を繋ぐこと。全部、全部嫌いだった。22年生きてきてようやくわかったことだった。

 

4年間、結婚は一生しないと思って、1人で生きていけるように訓練した。1人でいろんなところに行った。誰も誘わず、誰に報告することもなく、1人で1日を終えるのだ。それが、本当に充実していて誰にも縛られていなくて自分に合っていると気付くまで時間はかからなかった。1人で生きていくのだと思った。

母は、はやく孫を抱っこしたいという。とても、叶えてあげられそうにない。